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春は3月の春分の日を中日として、前後3日間、秋は9月の秋分の日を中日として前後3日間の計7日間が「お彼岸」の期間です。よく昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われていますが、ちょうどこの頃を季節の変わり目として考えている方も多いでしょう。
彼岸とは仏教用語で「波羅蜜多(到彼岸)」から出てきています。つまり「彼の岸へ到達する」という意味です。この彼の岸とは、煩悩、苦悩を超えた悟りの世界のことです。そして煩悩にまみれ、苦悩に満ちた私たちの世界は「此岩(しがん)」といい、娑婆(しゃば)の世界、つまりこの現代社会の世界です。その間には108煩悩の川が流れており、108の煩悩を捨て去った時、悟りの世界である彼岸にたどり着くといわれています。
国民の日である春分の日は「自然を讃え、生き物を慈(いつく)しむ日」であり、秋分の日は、「祖先を敬い、亡くなった人たちを偲(しの)ぶ日」と定められています。つまりお彼岸ではあの世へ行かれた私たちのご先祖様を尊び供養する事も大事です。しかし悩みの多いこの現実社会を生きて行く私たちですが、人それぞれの心底には、必ず生まれ持っての仏性を持っているといわれています。人間誰もが生まれた時がいちばん彼岸の世界に近いのではないのでしょうか。この煩悩にまみれ、苦悩に満ちたこの「此岩」の世界によって仏性は覆われているだけなのです。彼岸の1週間は生まれ持っての仏性をだすためのこころの修行をする期間でもあるのです。
人の「いのち」ははかないものです。若くても老いても突然やってくる場合もあります。1日1日を大切に思う気持ちを常に持ち、それと同時にご先祖様のことを偲び、「いのち」の尊さをかんがえる所に「彼岸」の心があるのです。
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