|
施餓鬼とは餓鬼道で苦しむ一切の衆生に食物を施して供養することです。
仏教では無縁の衆生をその苦しみから救うべきであると考えられており、そういった教えがよくあらわれているのがこの施餓鬼です。
修行中の僧侶が食をいただくときは必ず餓鬼にもご飯のひとつまみをお供えいたします。もっとも苦しんでいる存在へ、慈悲の手をさしのべることを大事としているのは仏教ですから、施餓鬼というお供えは、僧堂において日々の修行として勤めているのですが、これを、広く在家の人と一緒に行いましょう、これはいい功徳なんですよという意味で、施餓鬼会を行っているわけです。
ではどうしてこの施餓鬼会が先祖供養と結びつくのかと思われる方もおいででしょう。こう考えていただければよろしいかと思います。
今、さいわいに私は、私の父母・祖父祖母・・・・と縁のある先祖に対して、追善の供養をすることができる。しかし、それでは縁なき衆生の供養はだれがしてくれるのだろう。その縁なき衆生は、わたしの生命につながりはないのだろうか。この無縁の万霊の供養は「願わくは此の功徳に以て、普く一切に及ぼし、我等と衆生と皆共に仏道を成ぜんことを」と回向文にあるように、仏教の慈悲の教えに根ざしたものではないだろうか。
またこうも言えます。
あなた自身が施餓鬼会の1人の施主であると同時に、あなたは、ご先祖になりかわって施主を勤めるのでもあるのです。すなわち、亡き人が生前においてなされた布施の功徳を、さらにあなたが引き継ぎ、補い積むという意味で、亡き人をも施主の立場に見立てた供養が、この施餓鬼なのです。したがってそれがまた先祖への供養になるわけです。
|
|
Copyright(C)2008 水子供養の常光円満寺 『当サイトの内容の無断転載、使用を禁止いたします』
|